比較光源

3DIIは独自の比較光源を内蔵している。 これには、波長較正用のホローカソードランプ2つと、フラット用のハロ ゲンランプ1つが含まれる。これらの光源からの光はファイバーによって分光器 内部の積分球に入り、光学系を通して望遠鏡焦点面へと導かれる。 光学系の設計に課された条件は、 焦点面を望遠鏡と同様に照らすこと(F-比・主光線・一様性)である。 さらに、瞳分光であるIFSモードでは、精度の高いデータ較正を行うために、 比較光源と望遠鏡の瞳像が高精度で一致している必要がある。 このため、以下の点にも注意を払いながら比較光源系を独自に設計した。 (1)瞳像の形を望遠鏡のものと一致させる。これには、収差が充分小さいこ とも必要条件となる。 (2)瞳像の位置を望遠鏡のものと一致させる。とくに光軸に垂直な 方向の位置ずれを取り除くための調整機構をつける。 この結果、 前節でも触れたように、赤外シミュレータでの試験において、 形・位置が望遠鏡の瞳像と一致したものが得られ、 比較光源が設計どおりに機能することが確認されている。