概要

京都三次元分光器第2号機は、i)ファブリペロ分光撮像、ii)マイクロ レンズアレイを用いたIntegral Field 分光(IFS)、iii)長スリット分 光、iv)狭/広帯域フィルタ撮像、の4種類の機能を備えた可 視光カセグレン装置である。 現在のところ、すばるに装着することが計画されている装置のなかで、 ファブリペロやIFSを持つものとして唯一の装置である。 波長域は360 nmから900 nmまでという広い範囲に対応できるように設 計されており、空間サンプリングは、すばるの高空間分解能に合わせ、 細かくとられている。 これにより、 すばる望遠鏡の可視光領域における「大集光能力」と、「高空間分解 能」を生かした「高空間分解のスペクトルマッピング観測」が 行える。 conventionalなスリット分光観測では得られない斬新 あるいは含蓄に富む観測成果をあげるのが狙いである。 我々のIFSでは瞳分光光学系を採用しており、ファイバを用いる GEMINIやVLTのIFSに比べ測光精度が高い。 また、プロトタイプの第1号機は岡山で稼働中であり、 その効果を実証済みである。 第2号機は赤外シミュレータでの2度のテスト観測に成功している。 さらに、すばる用共用コンテナの製作が済み、これと光学シミュレー タや分光器とのかみ合わせテストにも成功した。 すばるとのソフト的なインターフェイスに関する作業も 国内における作業は終了している。