ハーフミラーホルダ固定試験2


位相カメラのハーフミラーホルダーは主鏡上に接着した極小V溝ブロックで固定されるが、調整後望遠鏡の姿勢が何度の範囲内で使用可能かをちゃんと確認してみた。

廊下の一方に傾斜ステージ上に固定したレーザー、もう一方に垂直配置した回転ステージにV溝ブロックを接着した平面鏡とハーフミラーホルダを取り付けたものを置き、平面鏡とハーフミーラーそれぞれでのレーザー反射光の戻り位置の変化を調べた。レーザーと鏡の距離は 32m。

ハーフミラーホルダのたわみが出やすい脚のない側のアパーチャに光を入射させて試験する。平面鏡とハーフミラーの戻り光が重なって干渉するように調整する。

回転ステージで 30°傾けると、干渉縞が怪しくなってきた。

回転ステージで 60°傾けると、2つのスポットは完全に分裂した。

ハーフミラーホルダーの内部では、3個の 0.5mm 鉄球によりハーフミラーホルダを3点支持しているが、2箇所のみ真上を爪で押さえている。ホルダーの幅が狭くて3つ目の爪を省略したのが問題の可能性もあるため、3つ目の鉄球の真上をクリップで挟んで固定し、60°の状態のままハーフミラーの向きを再度調整した。

回転ステージで 30°に戻しても若干の変化はあるが干渉縞は安定している。

回転ステージで水平に戻しても干渉縞は出ていた。

ちなみに、この治具での最大傾斜角 79°まで倒しても干渉縞は出ていたので(写真は撮り忘れ)、ちゃんと3点を爪で押さえれば全ての角度で使えることが確認できた。あとは、どうやって爪を追加するかだ...

結局、0.3mm のリン青銅板でクリップすることにした。姿勢変化でホルダー内部のハーフミラーが動かないことを簡単に確認するために、キューブ型ミームスプリッタを用いて上からレーザー光を入射させ、反射後に水平に射出する冶具を組み、クリップした24個のハーフミラーを全てチェックした。水平と垂直で 1' の角度変化までは許容したが、大半は 9.2m 先で計測不能(<20")なレベルだった。


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