リモート観測
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~iwamuro/Kyoto3m/Remote

岩室 史英 (京大宇物)


●概要

    外部から岡山天文台に接続し、望遠鏡を操作して観測を行なう。
    観測時の操作性や安全性を考慮すると、できるだけ同時に多くの情報を表示する必要がある。
    → ネットワークは安定して高速接続が維持できる環境が必要。
    現地には最低1名の待機者が必要。

    リモート接続が必要な対象は以下の通り。

  • プロキシサーバ
    電源 SW や主鏡制御関係など、Web ベースのインターフェースを持つ機器の制御に必要

  • 望遠鏡制御 PC
    望遠鏡の駆動や観測装置の制御を行なうための端末となる PC
    表示すべき情報量が多いため、最低でも2画面分の同時表示が望ましい

  • 焦点確認用カメラ
    上記望遠鏡制御端末 PC 経由でも制御できるが、現状ではカメラに直結している制御 PC に直接接続

  • ドーム内監視カメラ
    Windows での制御となるため、カメラ制御機器に外部の Windows から直接接続する
    (Windows のリモートデスクトップを使うと現場の Windows が使えないため)

●実際の接続

    岡山観測室では、4K モニタや複数台のモニタを接続した制御/端末 PC で表示して制御しているが、
    大きなディスプレイ情報をネットワーク転送して1台の PC で受け取るのは負荷が大きいので、
    個々の制御対象に対し京都から別々に接続して1台に負荷が集中するのを防ぐ。接続は ssh ポート
    転送で行う。

  • 接続に必要な条件
    岡山ゲートのアカウントを持っていること。
    宇物計算機室の端末が利用できる状態であること。

  • ユーザの意見
    マウスの反応がほんの少し遅れるので注意。
    岡山の待機者が現状ではボランティアなので、ちゃんと手当てがつく状況にしてほしい。

●ソフトウェア

  • Firefox:
    http ブラウザ
    プロキシサーバを localhost にして転送してきたポートを表示

  • Remmina:
    Ubuntu 標準でインストールされている RDP クライアント
    RDP サーバを localhost にして転送してきたポートを表示

  • nomachine:
    https://www.nomachine.com/download/
    NoMachine for Linux => NoMachine for Linux DEB amd64
    (不要だが nomachine サーバもインストールされる)
    システム音の転送もできモニタ解像度の切り替えなども簡単だが、1台には1接続しかできない
    ホストを localhost にして転送してきたポートを表示

  • VNC viewer:
    https://www.realvnc.com/en/connect/download/viewer/linux/
    DEB x64 でダウンロード
    localhost に接続

  • ONVIF:
    http://jp.azonecctvstore.com/art/poe-kit-app-a0043.html
    Download CMS for A-ZONE POE Kit for Windows
    TeraTerm で ssh 接続とポート転送を行い、このソフトでlocalhost に接続

●国立天文台共同利用の場合

    国立天文台の共同利用時間では、過去の経験と実績から VPN+KVM を用いるようだ。
    初期投資が必要だが、上記のやり方と比べ以下のメリットがある。

  • リモート側では特別なソフトウェアのインストールが不要
  • 岡山側の端末の OS が起動していなくても接続が保たれる
    (PC 管理者にとっては重要だが、ユーザーの立場ではほぼ関係ないかも)

    岡山側でこの方式の準備が整えば、京大側でもこの方式での接続ができるようにする(場所が問題...)。


iwamuro@kusastro.kyoto-u.ac.jp